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コラム

ジョージ・ジェンセン、トールン・コレクションについての私的考察

一ファンとしての想いから出た全くの個人的な考察です。 ご参考になるかどうかわかりませんが、ジョージ・ジェンセン、トールン・コレクションをより深く楽しんでいただくための一助になれればと思っております。 理解が深まれば、ひとつひとつのお品物への愛着が増すことでしょう。

お手入れについて

白いウールのセーターを着た時にシルバージュエリーを着けると、セーターが黒ずんでしまったというお話をたまに聞くことがございます。 私は長い間シルバージュエリーを楽しんでおりますが、一度もそのようになったことはございません。 身に着けたジュエリーをしまう前に必ずネルの布で簡単にぬぐっているからです。 一手間かければ服を汚してしまうこととは無縁です。
研磨材を塗布した布や銀器磨きを使用して磨くのは、長期間しまったままでよほど硫化してしまったお品に対してだけで良いと思います。 その場合、ピカピカに磨く物と燻しの良さを残しておく物とを区別して、元々の風合いを壊さないことが大切です。
なお、私は以前直営店で販売していたペースト状の銀器磨きを使用しておりますが、研磨材を塗布した布で簡単にお手入れするだけでも良いと思います。 但し、細かい部分は、やはりペーストと綿棒に頼っております。 その他、泡のスプレー、液体、ワックスなど多種類の銀器磨きがございますので、いろいろお試しになってご自身が使い勝手の良いものを見つけられると良いと思います。
一つだけ気を付けることは、シルバー以外のお石には、絶対に銀器磨きが付かないよう注意するということです。
一番良い簡単なお手入れ法は何かというと、毎日身に着けることに尽きます。

ジョージ・ジェンセンのお石について

ジョージ・ジェンセンの好きなお石はムーンストーンで、さまざまなアイテムに使われております。 その他には、グリーンアゲイト、オニキス、ラピスラズリ、アメシスト、ガーネット、アンバー、カーネリアン、ラブラドライト、ローズクォーツ、スモーキークォーツ、クリスタル、ヘマタイト、オレンジムーンストーン、ブラックアゲイトなどが使用されております。
現在は昔ほど多種類のお石が使われなくなりましたが、ペリドットやカルセドニーなど新たに使われるようになったお石もございます。
以前BBSで、アフガン問題がある為、ラピスラズリの製品がなくなるのではと心配なさっていた方がいらっしゃいましたが、これからもラピスを使う予定はあるとのことで、実際に2009年のイヤーアイテムは飾り石にラピスが使われました。 ただ残念なことに、GJ 特有のオレンジがかったローズクォーツを使用したお品は見られなくなりました。
ジョージ・ジェンセンは銀を愛してその美しさを「月の光」と表現しました。 これらのお石は鏡面仕上げされた銀板にセッティングされることによって一度光を取り込み、その「反射光」によってお石独特の色、艶などの美しさを際立たせることが可能になるのです。 私はこのシステムに不思議な魅力を感じます。自らが光るのではなく、とり入れた光によって自分を輝かせる・・・・・・・ジョージ・ジェンセンは日本人によく似合うジュエリーの宝庫だと心をふるわせられます。

アンバー (琥珀 ) について

ご存知のように、琥珀(コハク)は太古の松脂が化石化したものなので、昆虫や植物が巻き込まれ、そのまま閉じ込められていることもあるのです。 スピルバーグ監督の映画「ジュラシック・パーク」は、その昆虫を利用して恐竜を作り出すというストーリーでした。
昆虫の入っている物はとても珍重され、かなり高価ですが、その他の琥珀(コハク)は価格的にはあまり差がありません。 色の濃淡や、植物の量というのは全くの個人の趣味なのですが、一般的に日本人の中高年の方には花粉の多い物が人気があります。 熱処理をして花粉が多く入っているようにみせかける物もあるようです。 逆に私は色(茶系、オレンジ系、イエロー系)を楽しみたいので、花粉のほとんど入っていないジョージ・ジェンセンのペンダントやイヤリングを愛用しております。
ジョージ・ジェンセンのアイテムには使用されていませんが、グリーン、ブルー等も市場に出回っております。 色の濃淡や花粉の量は、何分自然の物なので同じデザインでも製品によって異なり、人工物と違う天然の良さがそこにあると思います。 また、他の鉱物にはない軽さ、温かさ、艶に魅力を感じます。

ジョージ・ジェンセン ファン

元外務大臣の田中真紀子さんはジョージ・ジェンセンのアンバーのイヤークリップを愛用していらっしゃいますが、可愛い大きな鳩のブローチ309もよく左の胸に輝いています。 なんと驚くことに、外務官僚を走らせた指輪事件のあの指輪もジョージ・ジェンセンの物だったということです。 特注品なので同じ物が直営店になかったという落ちがついていますが、一体どんな指輪だったのか大変興味を覚えます。
また、デンマーク王室とのつながりの為か、皇室の妃殿下方もジョージ・ジェンセンのイヤークリップやブローチ、ペンダントなどをお着けになっていらっしゃいます。 紀子様が大きなハートの長めのペンダント126Bをなさっていらっしゃったのが、当時の若さとマッチして、溌剌としてしかも涼しげな印象をお与えになっていらして大変素敵でした。
他にも 若尾文子さん、みのもんたさん、川上麻衣子さん、国谷裕子さん などのファンがいらっしゃるようです。

ジョージ・ジェンセンの最近の傾向について

1997年頃から「生産中止」となるアイテムが急に増えました。 古いデザインを整理して新しい物に力を入れていこう - - というコンセプトのようでした。 大勢のデザイナーの作品が見られ、ゴールド製品が増え、モダン・アイテムが充実していく中、アールヌゥヴォーのデザインが少なくなってしまうのを惜しむ気持ちが大きくなりました。
J.F.ケネディの夫人だった頃のジャクリーヌ・ケネディ・オナシスは、質の良いごくシンプルなデザインのドレスにアンティークのアクセサリーを合わせていました。 私もシンプルな服に手の込んだ小物やアクセサリーを合わせるのが好きで(その為にちまちました手編みの小物をせっせと編んでいるわけですが)、古いデザインがなくなるのはとても悲しい事でした。
ところが、ベーシックなアイテムは残されましたが、アールヌゥヴォー・アイテムがとうとうここまで少なくなったかという嘆きが最大限になった2009年の冬、満を持して Moonlight というシリーズが新たに加わったのです。 今までのクラシカルなアイテムを新たな工房で生産し、これまでよりもお求め易いお値段で販売し、かつ、現代に相応しくリニューアルする - - という計画です。
当初、賛否両論がございましたが、だんだんにそのコンセプトが認められ、受け入れられるようになりました。 ですが、従来の生産方法に魅力を感じていらっしゃる方も大勢いらっしゃいます。 今後、どのような展開になるのか、興味を持って見守っていきたいと思います。

ジョージ・ジェンセンのデザインナンバーとアイテムナンバーについて

ジョージ・ジェンセンの全てのアイテムはデザインナンバーとアイテムナンバーを持っています。
デザインナンバーはデザインされた順にナンバリングされていますので、「1」 は最初に考えられたデザイン。 数が大きくなる程、後にデザインされた物となります。 従いまして、デザインナンバーは決して変更されることはございません。
また、アイテムの素材や大きさ、一部デザイン変更により A、B、C、などのアルファベットがつけ加えられます。
このナンバーはアイテムの裏などの目立たない所に刻印されています。 但し、イヤー・アイテム、アーティスト・アイテムにはこのナンバーがないのが基本です。(後になって通常商品となり、付けられる場合もございます。)
アイテムナンバーは、3 123 456 のように7桁の数字で表わされます。 同じデザインでも飾り石が異なるとアイテムナンバーは変わり、全てのアイテムが異なるナンバーを持っています。 ごく稀に変更されることもございます。 デザインの名前は、付いているものといないものがございます。
お取り寄せについては、皆様上記のどちらかのナンバー又は両方、さらに丁寧な方は画像をお送り下さり、大変助かっております。

ジョージ・ジェンセンの古いアイテムについて

現行のお品には、このコラムの 「ジョージ・ジェンセンのお石について」 で既に述べたようなお石を使っておりますが、昔のジョージ・ジェンセンの飾り石はもっと豊富でした。 アマゾナイト、マラカイト、ターコイズ、コーラル、ルチルクォーツ等がボリュームたっぷりに使われていて迫力があります。
ボリュームがなくてもコーラルのリングなどもとても愛らしくて人気のあるアイテムです。 ラブラドライトは、かなり頻繁に使われた飾り石です。 私も大好きなお石ですが、ブローチのセンターに濃いラピス・ラズリのようなブルーのラブラドライトがふんだんにこれでもかという程使われ、イヤリング4 と同じドロップがいくつもぶら下げられているお品を見たことがございますが、圧巻という他ありませんでした。 アンティークショップでは驚く程のお値段になっております。 デザインも今あるアイテムをいくつも組み合わせた、複合的で複雑な構造になっているのが、古いアイテムの特徴です。 あのデザインがこのアイテムのここに使われている と考察するのも、ジョージ・ジェンセンが提供してくれる楽しみの一つです。 これにともない、作りも昔の方が立体的で、また丁寧に細かい技術を駆使しているので、同じ古くからあるデザインでも、現行のお品とは趣が異なっているように感じられます。
アンティーク、ヴィンテージ品となりますと、なかなか簡単に手が届かないお値段になってしまっております。 Moonlight シリーズは、クラシカルなアイテムは好きだけれど高価すぎて購入できない悩みを持つ私にとりまして、選択肢を増やしてくれたギフトかもしれません。

ネックリング(チョーカー)、バングルについて

ネックレスやブレスレットのようにチェーンやパーツでつながれたものではなく、固定された一つのフォルムとして完成しているネックリング(チョーカー)、バングルは、VTBHやOW、AA、AM、GS(頭文字で省略)といったデザイナーの腕の見せ所です。
以前ジョージ・ジェンセンのコペンハーゲンの工房が舞台となった「世界ウルルン滞在記」でTV放映されたウェディング・パーティでは、列席者はもちろん工房のジュエリーを身に着けていましたが、花嫁さんのジュエリーが大変魅力的でした。 それは、VTBH デザインによる淡水パールが2個付いたネックリングとバングルでした。 ネックリングとロック・クリスタル、スモーキー・クォーツ等の大きなドロップを使った組み合わせはダイナミックな印象を与えてくれますが、この花嫁さんのネックリングは清楚で優しくとても似合っていました。 とかく日本の花嫁さんは一生に一度の晴れ舞台とゴージャスになりすぎる傾向があるので、この花嫁さんとシンプルで美しいフォルムのネックリングは大変新鮮に目に映りました。 お若い方があまり値の張るアクセサリーを身に着けるのは伝来のお品でない限り、時に周囲に不快感を与えたりします。 その意味では、彼女の選択は素晴らしいものだったと言えるでしょう。
また、お年を召したマダムがデザイナーによって計算しつくされたフォルムのネックリング、バングルを着けていらっしゃると、背筋がシャンと伸びて若々しく溌剌と見えます。 この頃あまり見かけない Harald Nielsen デザインのバングル 55 などは、幅が広く燻しが効いていて、お若い方よりはむしろ老婦人がシワのある手首にはめたほうがしっくりくると思います。 このバングル、実は私が買いそびれてしまった憧れのアイテムです。

リングサイズについて

お取り寄せの際、一番気になるのがリングのおサイズです。 リングのデザイン、幅、お指の形態により、おサイズは異なって参ります。 お指は、節高で手の甲に近くなるほど細くなる方や、節よりも根元のほうが太い方、季節によって随分太さが変わってしまう方など、実に人それぞれ、さまざまな特徴がみられます。
一番良い方法は、ご試着なさることですが、ここではだいたいの目安をお知らせ致します。 これまでリングのおサイズに関しまして一件もトラブルがございませんでしたので、どうぞご参考になさって下さいませ。
通常は「日本サイズに40プラスしたもの」と提示されているようですが、これですと号数が大きくなるにつれて少しきつめになる傾向がございます。 たとえば、日本サイズ #10の方がデンマークサイズ #50 をお求めになると少々きつく、#13 の方がデンマークサイズでジャスト #54 になります。
Torun 工房のリングのほうが、ジョージ・ジェンセンより気持ちゆるめな作りになっております。
ジョージ・ジェンセンでは基本的に 48~58 サイズ、また Torun 工房では 46~58 サイズを揃えておりますので、その中でどうぞご検討下さいませ。
しかしながら、やはり一つ一つのデザインにより、おサイズは微妙に異なります。 また、重ねづけする場合は少し大きめのほうが良いといった傾向もございますので、あわせてご考慮頂きたいと存じます。

ジョージ・ジェンセンのバースペンダンドの飾り石

生産中止となって久しいのですが、今でも皆様に人気のある各月をシンボライズした俗に言うバース・ペンダントの飾り石を追ってみます。 デザインは Ole Kortzau です。

1月 ガーネット 2月 アメシスト 3月 アクアマリン
4月 ロッククリスタル 5月 クリソプレイズ 6月 ムーンストーン
7月 カーネリアン 8月 ペリドット 9月 サファイア
10月 オパール 11月 トパーズ 12月 ターコイズ

以上です。

時々 オークションなどで見かけますが、お石が誤記されていることが多いのでお知らせ致しました。

ジョージ・ジェンセンのチェーンについて

ジョージ・ジェンセン は多種多様なチェーンを生産しておりました。 皆様よくご存知のものに、イヤーペンダントのサーヴィス・チェーンとしての Figaro、アーティスト・ペンダントのサーヴィス・チェーンとしての Anchor、また、Möbius や Melon で使用されているラバー・チェーン、ハートや鳩の大きめのトップに使用されていた、今では 13575 のみに使用されているヘマタイト・チェーンがございます。 それから、ROデザインのクロス用に生産されていたダブル・チェーン、ドロップ用に生産されていたVTBH デザインのチェーンもございました。 また、他には Venezia タイプも生産されておりました。
Anchor は、38cm から 70cm まで何故かと思えるほど多種多様な長さが生産されておりました。 燻しが施されているものいないもの、また太さも3種類ほどございました。 長くなるほど太くなる傾向が見られます。 また金メッキを施されたタイプもございます。 
Figaro も 40cm から 60cm までありまして、燻しタイプもございました。
2004年以降、生産の種類がかなり減ったのがとても残念です。
チェーンの長さ、デザイン、燻しの有無でペンダントはかなり印象が変わるものです。 また冬は厚着をする分どうしても長さが必要となります。
私自身はサーヴィス・チェーン、ラバー・チェーン、ダブル・チェーン、ドロップ用チェーン以外に Anchor 38cm、60cm(燻し)、70cm、Figaro 40cm(燻し)、60cm をその時々で使っておりますが、これだけございますとほとんど全ての服装をカヴァーできます。 大きめのペンダントトップを長いチェーンで垂らして、それに合うイヤーペンダントを短めのチェーンで重ねづけするのも素敵です。 
また、ジョージ・ジェンセンの純正チェーンでなくても、革ヒモ、絹の組紐、ベルベットやサテンのおリボンを利用なさっている方も多くいらっしゃいます。
是非 ご自身のジュエリー、ワードローブに相応しいチェーンをお選び頂いて、トップやチャームを十二分に活躍させて頂きたいと存じます。

ブローチの活用法

ブローチを服やストール、スカーフに留めるだけでなく、布やニットのバッグ、お帽子にアクセントとして留めてご活用なさっている方は沢山いらっしゃると思います。 その他にも、空間(隙間)のないデザインの場合は、専用の帯留め金具を使って帯留めとしてお使いになる方もいらっしゃいます。 ジョージ・ジェンセンの燻しや鎚目を施したブローチは、お着物との相性が良いですね。
それから、これもデザインによりますが、ピンに直接チェーンを通し、その両サイドをシリコンゴムで固定して、ペンダントとして楽しむこともできますね。 ジョージ・ジェンセンのブローチ 217A はこの方法でペンダントになさっている方も多いようです。
また、ピンではなく直接ブローチ本体にチェーン、ラバーチェーン、レザーコード、リボン、革ヒモなどを通すことが可能なデザインも結構あるのです。
要は、ペンダントとして着けた時にトップであるブローチがお辞儀したり、片寄ったりしなければ良いのです。 高価なブローチの活用法をいろいろと考えてみる価値はあると思います。 チェーンを持った時には多少お辞儀をしてしまいましても、身に着けますと全く気にならないことが多いです。

下の画像は廃盤となってしまったブローチ 78 と 109 ですが、78 本体の空間にジョージ・ジェンセンのレザーコードを通すことが可能な部分がございます。 横長の短めのペンダントになります。 リボンを通して縦長のチョーカーにしても素敵です。
109 はシルバーの枠が二重になっているので、枠と枠をつないでいる部分が4ヵ所ございます。 その部分に直接チェーンを通しますと、とてもクラシカルな大振りのペンダントに早変わり致します。 縦長にする時はちょっと ピンが邪魔になるかもしれませんが、それも良いと思います。

他にもまだまだいろいろな活用法が埋もれているように思います。 皆様、是非、ご自身ならではのスペシャルな着け方を見つけて、ブローチをご活用下さいませ。

ジョージ・ジェンセン ブローチ1
ジョージ・ジェンセン ブローチ2
ジョージ・ジェンセン ブローチ3

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